2007年05月03日

桐野夏生の自由間接話法

 桐野夏生の作品は「OUT」「メタボラ」「光源」しか読んでいないが、この人の自由間接話法はすばらしいの一言に尽きる(「メタボラ」は一人称の語りなので自由間接話法はない)。特に「光源」はよい。べたつきが全然ない。自由間接話法を使うとべとついたり、くさくなったりしがち(たとえば真保裕一「ホワイトアウト」がそう)なのだが、桐野夏生はあくまでもひんやりした作風を損ねていない。
 話法のことを抜きにしても「光源」は本当にスリリングな大人の小説なので万人に勧めたい。はたして人生に勝者というべき者がいるのだろうかと考えさせる、妥協の物語である。島田荘司「龍臥亭事件」をおもしろく感じられないのは前に読んだ「光源」が面白すぎるからかもしれない。(2007.5.3)

posted by 堀内悟 at 22:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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