そのせいもあるのか、9時すぎにフィッシュドッグやゴマせんべいを食べながら飲んだサッポロビール北海道生搾りみがき麦(ジャンルはたぶん発泡酒)が妙にうまかった。冷蔵しないまま部屋の片隅で夏を越したものなので先月あたりからさっさとのまなあかんな、まずっ、だいいち金属っぽい味になってると思いながら飲んでいたのだが、今日はそんなこともなくおいしく飲めた。
もしかすると、ひょっとして、金属くさく感じた変な味の正体は微量のウーロン茶なのかもしれない。いつもティーカップに注いだウーロン茶で甘いパンを食べた後にカップを洗わないままビール類を注いで惣菜パンを食べていた。
みがき麦がまだ新品だった時期には味がキュムキュムしていた。それゆえ「みがき麦」とは言いえて妙だと感心していた。しかし今この件についての疑心をすかして考えると本当の味はもっとよかったのかもしれない。
みがき麦をもらってからひと月以上たって夏場になるとキュムキュムした感じはなくなり、落ち着いた味になった。これといった特徴は感じられなかった。古くなり始めて味の角が取れたのだろう。
8月下旬には金属っぽくなってきた。「ヂリヂリ」した感じだろうか。
もしかすると、ひょっとして微量のウーロン茶が味の変化を拡大させていたのかもしれない。
今日のみがき麦は味がクリアでうまかった。飲んでいるさいちゅうは、やっぱりビールはちょっと涼しくなってきてからのほうがうまいな、くそあついムンムンしているときに飲んでものぼせてよけいに暑苦しくなるだけだ、頭も体もすっきりしているときに飲んだ方が清々するなあ、などと思った。
しかし、わたしは重大な差異を見落としていたのだ。今日はいつもの金曜日とちがった行動をとったのだ。
つまり、わたしは今日は菓子パンを食べるときにウーロン茶を飲用しなかったのである。わたしも家族も飲まずに放置してきたために賞味期限切れを起こしている缶入りの午後の紅茶を代わりに飲みながらヤマザキ高級クリームパンを食したのだった。しかも! 午後の紅茶を飲むに際しては缶のまま飲んだのだ!
そのために、みがき麦を注いだティーカップはウーロン茶で濡れていなかった!
これだ! これこそ真相(トリック)だ!
わたしはジャガーを見つめた。あいかわらず無言のまま窓辺にねそべっているが、もしジャガーに命が宿ったらわたしにこういうだろう。
「さすがは生活探偵豹悟郎、ぬいぐるみの表情の変化がわかるだけあるガウ。感心感心」
完
2009.10.10土曜
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ラベル:酒