2009年07月17日

京極夏彦『姑獲鳥の夏』読了

 2009年7月17日朝、京極夏彦の『姑獲鳥の夏』を読み終えたぽこ。
 以下ネタバレ注意!










『姑獲鳥の夏』の感想

 あー、おもしろくなかった(苦笑)。ページをめくる楽しさがなかったぽこ。残念無念。ドグラ・マグラの次に読んだのがまずかったぽこか。読書はおそろしいぽこ。おもしろく感じなかったのはドグラ・マグラと比べてしまう状況によるところが大きいのかもしれないけど、この作品自体にもいろいろ惜しまれる点があるぽこ。

 端的にいうとぽこがミステリーに求めるものがなかったぽこ。異なる場所、異なる時代(ほとんど昔)の疑似体験、およびそこにおける異常もしくは日常的な事件がきっかけにあらわになる人間性の真実。これがミステリーと他のジャンルを結ぶ接点だし、スリル、サスペンス、バトルというぽこの評価基準の一元性が成り立つ第一の立脚点だぽこ。
 時代の描写の欠落。太平洋戦争での敗戦後七年の時代設定なのに、時代を感じさせる描写がぜんぜんないぽこ。いちばんだめなのは闇市は嫌いだと関口に言わせて済ませているところ。あまりにもったいない。闇市の雰囲気が色濃く残る市場を通って病院に向かわせたりすればよかったのに。昭和二十七年の雰囲気を味わえる部分がなかったぽこ。

 それからなにより音楽性! 物語の潮流・うねりに呑み込まれそうになりながら必死にそのグルーブに乗ってページをめくる快感! なかったぽこ(しょぼーん)。
 中盤までの読者を徹底的にじらす作戦は狙いとしては嫌いじゃないけど、関口が登場人物の発言にいちいちコメントするのには閉口したぽこ。のってけないぽこ。

 魅力的な人物もいなかったぽこ。京極堂のスタンスは中途半端。問題解決のために呪文を唱えるなんておもしろくない。
 登場人物たちがみんな知人同士なのもがっかり。サークル仲間で空騒ぎの体。
 関口を単なる狂言回しに終わらせないという狙いはいいけど、関口があれを視認できないという設定に引きずられての人物造形だから、ほんとにこいつは戦場で人を殺してきたのか?という疑問が付きまとってしまい、彼を信じることができないぽこ。

 肝心の医師の失踪事件の真相についてもあれをアリとしてもそのために関口を病的な人物に設定しているところが問題。涼子に対して○○をしたのかどうかという謎を作品全体にかぶせる必然性はないし、語りの野暮ったさを思うとここは特別な設定はせずにすっきりさせたほうがよかったと思うぽこ。

 あー、この作品はドグラ・マグラの影響が感じられる作品だのに(胎児、巻物、自分探し等)、面白くなかったぽこ。残念だぽこ。ドグラ・マグラが大交響曲なら、この作品は枕が断続的に最後まで続く落語のような感じだぽこ。読む楽しさがなかったぽこ。麗しさがないぽこ。読後感も爽やかじゃないぽこ。ドグラ・マグラはやっぱりすごいなあ、よかったなあ。そればっかりいいたくなる読書体験だったぽこ。

2009.7.17金

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posted by 堀内悟 at 20:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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